2018年公開、予想外のスマッシュヒット低予算映画「カメラを止めるな!」の感想。
盗作騒ぎもありましたが、結局上田監督と劇団PEACE主宰の和田亮一氏の共同原作で一件落着になったことでも話題に。
盗作騒動のとき、母が「あんたがこの前見た『カメラを止めて!』って映画、盗作だったらしいよ」と言ってきたので「いや、『止めるな』ね」と訂正したんだけど、今朝も「今日テレビで『カメラを止めて!』やるんだって!」と言ってきたので、老人に一度入力された言葉は変更不可であることがわかった。
— 深爪 (@fukazume_taro) March 7, 2019
『カメラを止めるな!』の評価 ★4
本日は有楽町の国際フォーラムにて『同一労働同一賃金』のセミナー参加。
2時間30分、みっちり慶応法学部出身1つ先輩の弁護士さんの講義を受けて、時計の針は17時30分。
帰社するか微妙な時間ではあったが、台風につき帰宅命令メールも出てたので(…というか自分が所属する総務が出した)、そのまま帰ろう…かと思ったけど気になってた映画が拡大公開されて有楽町でやってたのを思い出し映画館へ直行。
シネマイレージポイントが溜まっていてタダだったしね。ポイントが切れる前に気付いて良かった。
んで、その気になる映画が『カメラを止めるな!』
公開7週目にして、今週見事興行収入10位にランクインした話題作。
最初はわずか2館からスタートして、現在口コミやSNSや指原莉乃等の有名人が絶賛したおかげで随時拡大公開中。
最近だと『君の名は』や『この世界の片隅に』がジワジワ型の息の長いランク変動をたどったものの両方ともアニメ映画。
本作のような邦画の実写で、しかも無名な監督&配役のゾンビ映画が日本でヒットすること自体が稀有。
外国映画では時々『アイアムサム』や『最強の二人』、『アメリ』、『ホットファズ』みたいな良質映画が口コミでロングヒットするけど日本映画のこのパターンはあまり印象にない。
上映劇場で満席続出の「カメラを止めるな!」が圏外から10位にランクイン。6月に都内2館でスタートした同作は、口コミやSNSで評判が広がり、公開7週目から全国16館に拡大公開され、この土日のスクリーンアベレージは325万円を記録する驚異的な興行を展開。今後124館での拡大公開が決定していることから、さらなるランクアップが期待される。(映画.comより引用)
やっぱゾンビ物がヒットするってのも、ゾンビ大好きな人間にとっては嬉しい限り。
(彼岸島、なかなか先に進まんな…)
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19時の回でしたが、満席!
前から1~2列目しか空いてなかった。
客層は20~30代の映画好きそうな輩が多く、場所柄か小奇麗なババアもいたような…
あと、結構一人で観に来ていた人がいたかな。
本編前の予告編で、一番館内の空気が変わった(ような気が勝手にした)のはシティーハンター劇場版の映像が流れた時。
ええ、もちろんあれが流れてきたからですよ。
すごいね、まだ予告編でちょっとざわついてた雰囲気だったのに、あのイントロが流れただけでシーンってなったもんね。
まだ、日本には小室哲哉が必要だよ…ゲットワイルド…
@miccorina みっこさん、コレかっこ良すぎです😄 早速明日ムビチケ買いに行きます(笑) #シティーハンター #cityhunter #北条司 #神谷明 #getwild #tmnetwork #小室哲哉 #小室みつ子 pic.twitter.com/Zd1dOqQ5dn
— かずげん (@kazugen76) 2018年8月2日
小室つながりで言えば、韓国映画の日本版リメイク『サニー』が予告編で流れてたけど小室サウンド満載の中身になってました。
韓国版も映画で見たけど、日本版も小室聞きたさで見てしまうかもな…
あと、TOHOシネマの予告編にいつも出てくる山崎 紘菜ってこれ以外でおじさん見たこと無いけど大丈夫???仕事してるの???
なんかパッとしないで終わりそうで見てて切ないわ…
そんなこんなで本編スタート。
見どころ
- 一粒で二度おいしいシナリオ構成
最初の30分は前菜です。野菜が嫌いな人は『大丈夫か?この映画?』って思います。
でも安心してください、履いてますよ!ってくらい安心させられます。
最初の30分で誰しも抱いた違和感。ちゃんと後半で回収されます。
それも綺麗に、気持ちよく…そうそれはまさに和牛やナイツの回収型漫才のように後半笑いと共に、見る者は感嘆することでしょう。
そして、前後半でテイストが全く異なるのでお得感アリアリです。
ちなみに雀荘でいうアリアリはコーヒーに砂糖ありとミルクありでついてきます。後半のメインディッシュを美味しく食べるためにきっちり考え抜かれた前菜であったことに驚くでしょう。
メインを楽しむためにも、ちゃんと前菜も味わった方が余計に楽しめます。 - 予算300万ながらアイディア勝負にあっぱれ!
恐らくハリーもこの映画を見たら日曜日にあっぱれをつけてくれるはずです。
低予算、無名俳優でいかにも自主製作って感じのオープニング&大根芝居&粗い演出!
それさえも見事に伏線に活かされてます。
多分この映画に藤原竜也や石原さとみが出ていたら成り立たなかったはず。
もちろん、大根芝居もわざと演じている訳ですが、無名がゆえにさもありなんな雰囲気を醸し出していて違和感がない。
無名が故の勝利です。
あと何といってもストーリー展開に無駄がない。全てのピースがぴったり当てはまる爽快感!
この感動は何物にも代えがたい。
エンディング見てたら、これもクラウドファンディングらしいけど日本にも他にもっとこんな才能が眠っているかと思うと早く発掘してあげて欲しいと切に願う。ハリウッドでリメイクされるかもなあ・・・ - 映画愛を感じる内容
ほんと楽しんで作ってるんだろうなあと思うと同時に映画愛に溢れてます。
一応ヒーロー役の面倒くさい若手俳優がゾンビ映画の台本を見ながら『この映画の裏テーマは人種差別ですね・・・』云云かんぬん言ってたシーンがお気に入り。
ゾンビ物は良く『マイノリティーとマジョリティーが逆転することのマジョリティー側の恐怖』がテーマと言われてます。
特にアメリカで、白人がその他の人種に侵食されていく恐怖が重ねられている事をこの若手の一言は良くあらわしている訳で。でも後半、監督に『面倒くさいことばっかいいやがって!!!』的な感じで若手俳優が圧をかけられてるシーンを見ると『マイノリティーVSマジョリティ』がどうたらこうたらなんていう小難しい理由なんか偉そうに語らずに『面白いものはおもしれー!それだけでいいんだよ、ボケ!』と言われている感じがして気持ちよかった。
ブルースリー風に言えば『考えるな、ただ映画は感じろ!』・・・的なね。
なんかそれくらいパワーのある映画でしたよ、ほんと。
笑いありーの、家族愛もありーの、ただただシナリオにびっくりーの1本です。 - 館内の一体感がすごい!
中盤あたりから笑いが起こり、後半は隣の40くらいのおばちゃんが良く笑ってました。
いやその人だけでなく、館内笑いが結構ありましたよ。
伏線回収し始めたあたりから、『あっ、あれも伏線だったんだな!』と大多数が気付いて早くその答え合わせのシーンがみたいという空気が蔓延してるのが手に取るように分かったんだよね。
そのあたりの館内の一体感はなかなか今までなかったね。
前半で一回エンドクレジットが出るんだけど、もうその辺りからいい意味での『この映画、やっちまった感』があって、あとは期待しか生まれないという入れ食い状態。
久々に大勢で、他人なんだけど一緒に映画館で映画を見る醍醐味が味わえたかな。素晴らしい。
最後に
今更ブームに乗って観に行くのも後乗せサクサク感があってカッコ悪い…って思う人もいるかもしれませんが、たまには『人ごみに流されて変わっていく私を~(byユーミン)』状態になるのも悪く無いですよ。
今見ないと後悔しますよ。
是非、一人でも多くの方々に見て欲しい逸品です。
とりあえず混むので予約して観に行ってください。
☆×5(5点満点)