ホラー ★4(どうせ観るならこの評価以上の映画を!)

【アス(US)】★4の感想「新たな社会派ホラーの先導者、ジョーダンピールを満喫できる映画」

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最近ではエドガーライトにならび、「名前だけ」で観てみようとという気にさせられるジョーダンピール監督作品。
独特な世界観の社会派ホラー、今作でも炸裂しています。

多分監督名を伏せた状態で鑑賞しても『あっ、ジョーダンピールの作品だ!』ってみんなわかるのはすごいよね。
2作目にして完全に確立してしまった感。

あらすじ

幼い頃にふと迷い込んだ遊園地のミラーハウスで、自分とそっくりな少女に遭遇した、という恐怖体験がトラウマとして残るアデレード。今は夫と2人の子どもたちと幸せな家庭を築いていた。夏休みに家族と共に幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れた彼女は、ある出来事をきっかけにかつての恐怖が甦り、説明のつかない不安に襲われる。その夜、家の前に自分たちとそっくりな4人家族が現われたかと思うと、突如アデレードたちに襲いかかってくるのだったが…。(オールラインシネマより)

「アス(US)」の評価 ★4

ゲットアウトも★4ですが、本作も文句なしの★4。
以下加点・減点ポイント。

加点ポイント①社会派ホラーという新感覚エンタメ

鑑賞中、真っ先に頭に浮かんだのはマイケルムーアでした。
社会派ドキュメンタリーをエンタメに昇華させて万人受けするようにマイルドな味付けにしたのがムーアなら、社会的風刺をホラーで味付けしたのがジョーダンピールって印象。色んな表現があるもんだ。

ホラー映画には、『泣けるホラー』、『おバカホラー』、『ひたすら怖がらせるためのホラー』大まかにはこんな種類があるかなと思いますが、新たに『社会派ホラー』が加わった感じ。

ただ単純に絶叫できるスクリームファイナル・デスティネーションも頭使わなくて大好きなんですが、本作は観終わった後も色々と考えさせられて二度楽しめるなあ。ただ、この路線をずっと続けるのではなく、とことんバカホラーなピール映画も見てみたいと思うのは贅沢かな…

本作もゲットアウトもそうだけどコメディ色もバランスよくちりばめられているから多分小学生が見てもある程度面白いと感じてくれそう。
ピール監督、俺と同い年の41歳だし、まだあと30~40年くらいは楽しませてくれるなあ!同世代に生まれてよかった。

加点ポイント➁US=アメリカ=我々という分かりやすい図式

このUSっていうタイトルを見た時に真っ先に連想したのは、以前NHKドラマで放送していたアメリカのドラマ『THIS IS US(ディスイズアス) 36歳』
MMことマンディームーアの母親役が印象的でした。
あと、高橋一生の最悪の吹替え…一生、嫌いじゃないんだけど声優はちょっと…

このドラマでもUSを我々とアメリカでかけてたのを思い出しました。
多民族国家のアメリカでは、『我々』って言っても、人種の違いもあれば、格差の違いもあり、州によっては法律の違い、その他諸々あるやらで、同一に括れないっていう象徴的な単語ではあるんだろうなあ。

加点ポイント③やっぱりコメディアンの映画は面白い

アメリカでどのくらい実力・人気があったコメディアンかは知らないけど、随所にハイセンスな笑いがちりばめられていて映画に抑揚がついて楽しめた感じ。

芸人監督と言えば日本では北野武映画って話になるけど、シリアスとお笑いの相性は当然裏表の関係なんだから良いわけで、一流のお笑いを極めた人が映画を作ればそりゃいい作品ができる確率が高まるのも必然の話。よく聞く振り子理論も効果的に使えるしね(笑いと暴力、笑いとシリアスみたいな対極にある2点の振れ幅が大きければ大きいほど印象に残る)。暴力的なシーンにいきなり笑いが来るから感情が一気に揺さぶられて楽しめる。ファッ〇ザポリスは良かったね。友人宅で地下人とバトルになった際の主人公家族の無双ぶりは爽快!

弟と母親は元地下人だから覚醒したんだと解釈してもお姉さんはなぜにあんなに吹っ切れた(笑)

ちょっとキルビルのユマサーマン無双を思い出しました。

ボラットのサシャバロンコーエンとコメディアン出身監督としての双璧。

減点ポイント①地下世帯の描き方に不満

地下世界のリアリティをもうちょい追及して欲しかった…
『作りものの世界』感が否めず…まあ、難しいとは思うけど…

その他、取り留めのない感想

  1. アメリカ人にとっての遊園地って異世界との入口みたいな印象が強いのかな?
    色んなホラー映画で遊園地が舞台になったりするけど、やっぱり非日常=異世界への扉みたいな感覚なんですかね?
    今回も地下世界への入り口が遊園地だったけど…
  2. 暗闇のシーンが結構あったけど、黒人の差別されてきた負の側面を強調してるのかなと思った。
  3. 地下人が手をつないで鎖のようになってるラストシーン、“Hands Across America”をモチーフにしたみたいですが、あの画が入ることでただ襲ってくるゾンビ的な集団ではなく、弱者の悲痛な無言な叫びを体現している明日は我が身的な集団であることが描かれていて非常に効果的に感じた。
    単なる敵ではないってところがこの映画の奥行きを与えている。

  4. 幼少期に首を絞められて声帯をつぶされるとあんな声になるんですね…
  5. 弟の分身プルートが焼身するシーン。弟とシンクロして操られていたかもしれないけど自分の意志で焼身自殺を図ったようにも見えた。抗議の意味で焼身自殺する僧侶のようにも連想され…

口コミ

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