前評判の高かった古田新太、松坂桃李主演の映画『空白』を鑑賞。
角川シネマ有楽町にて。
公開初日、祝日ということもあり松坂桃李ファンが満席にしているかと思いきや8割くらいの入り。
コロナ禍で座席を1席ずつ空けて座るために、空席が目立つように見えますがまずまず入ってた。
ゆったり座れるので客としてはありがたいけどね…荷物も置けるし。
しかし、角川シネマ有楽町は場所がわかりにくいんだよね。
ビッグカメラの8階だけど表示が少ないから『あれっ?グーグルマップでは着いてるはずなんだけど…』ってなる。
そういや、前にここで観た時もそんな風に迷ってたな、俺。進歩無し。健忘症かな…
「空白」の評価 ★4
面白い。見るべし。
まずはあらすじ…
物語の始まりは、ある万引き未遂事件。スーパーの化粧品売り場で、店長の青柳直人(松坂)に万引き現場を見られた女子中学生・添田花音(伊藤蒼)が、追いかけられた末に車にひかれて死亡。娘に対して無関心だった父親・充(古田)は、せめて無実を証明しようと店長を激しく追及するうちに、姿も言動も恐るべきモンスターと化していく。(映画.comより抜粋)
以下評価ポイント。
古田新太の顔面凶器ぶり
最近見た古田新太は関ジャムで足組んでるか、半沢直樹で失墜してるかだけだったので、久々にじっくり演技を見ました。
やっぱり顔面凶器でモンスターだから飽きないなあ。
娘の潔白を信じて突き進んでいく感じは『人間・失格』の赤井英和を思い出しながら眺めてました。
斎藤洋介の訃報で思い出したのは人間・失格での赤井英和の狂った演技よ。学校のいじめによって我が子を自殺という形で失い、復讐の鬼と化しいじめた教師殺害を始め、いじめに加わった連中を一人一人消していこうとする姿勢は尊敬に値する。愛する我が子がそんな風になったら誰だって復讐の鬼になるよな pic.twitter.com/c3GU4VCHjv
— 平信is人間失格 (@eagleswi) September 20, 2020
古田新太VS赤井英和、いい勝負になりそうだw
藤原季節を初めて知りました…いいですね
古田はぶっきらぼうな漁師役なんだが、 弟子役の藤原季節が反発しながらもその古田についていく役を好演。
ただ、あそこまで邪険にされているにも関わらずなぜついていけるかがわからん。
漁師の腕があったのを尊敬してたのか、親父に重ね合わせていたのか、その両方なのか…
どっちにしろ、季節が古田についていける理由付けとなるエピソードが軽く欲しかった。
寺島しのぶの安定感。裏を返せば既視感
寺島しのぶ演じる欲求不満おせっかいババア。安定の出来でした。
首吊って死にかけた松坂桃李にキスするシーンは全国300万人の松坂ファンから悲鳴が聞こえそうでした。
有吉がこの映画の寺島にあだ名をつけるなら『善意の押し売り』で決定でしょう。
マイナスポイント
冒頭の交通事故シーン。
結構見通しがいい道路だったのがちょっと違和感。
1台目の事故は防げないかもしれないが、2台目トラックとのぺしゃんこシーンは運転手も気づきそうなもんだが。
携帯見てたってことかね???そこでなんかモヤモヤが残ってしまったのが最初のマイナス点。
事故後、現場で松坂と古田が現場検証ごっこしてた時に松坂とトラックがぶつかりそうになっても回避できてたし。
しかもその時は夜。実際の事故の時は昼…まあ、古田が間一髪助けてたような感じにはなってたけどイマイチそれでも腑に落ちない。そこら辺のモヤモヤさまぁ~ず感は払拭して欲しかった場面でした。
スーパー閉店後、交通整理のバイトをしてる松坂桃李に若者が『スーパーで売ってた焼き鳥弁当、ちょーうまかったっす。まじ今までありがとうございました!』(うろ覚え)…的なシーンがあって松坂感極まってたけど、このシーンはまさしく蛇足でしょう。
この映画でここが一番残念だった。いらないよ、このシーン。
その前に松坂に対して古田の心が解けてきた場面があったんだからそこで松坂の心も少しずつ救われてるのは観客わかってると思うんだよね。それを『これでもかっ!』って念押しのカットを入れ込むのは監督が不安だったからだろうか…
こんな人に空白はおすすめ
この映画、ポールハギス好きな人にはおススメ。なんとなく。
あと、チェンジングレーンが好きだった人とか…
そういや古田新太に対する観客の感情が少しずつ変化していく感じ、どっかでも体験したなあと思ったらスリービルボートのサムロックウェルに対してのものだった。
視点を変えてくれる映画って好きだなあ。
受け手の価値観もぐちゃぐちゃにしてくれて再構成してくれる感じね。
しかも短時間で経験できるのは映画の喜び。
劇中のワイドショーの作りがちゃちかったなあ。もう少し本気のシーンにして欲しかった。
古田新太の絵を描くシーン。
北野武映画っぽかった。下手な所も含め。でもその下手さもラストへの布石になっていて…
あれこれ文句もあったけど、そのラストシーンはきちんとフリが効いてて涙腺若干崩壊しかけます。
エンドロールへの入りも計算しつくされた絶妙のタイミング。うまい。あのラストを考え付いた時の監督のドヤ顔が目に浮かびます。
どんな監督か知らないけど。U-NEXT(ユーネクスト)でこの監督作品があったら観てみよう。興味持ちました。
調べたら7作品あるから犬猿観てみようかな…
そういえば、チャンス大城に似てるやつが出てるなあって思ったら、やっぱりチャンス大城だった。
【スリー・ビルボード】★5の感想「こんなにも短時間に感情がかき乱される映画、なかなか無い!」
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