エッセイ…のようなもの ⑲自己愛性パーソナリティ障害について




はじめに

ふと去年の7月に起きた、相模原の障害者施設での事件の容疑者、植松聖が『自己愛性パーソナリティ(人格)障害』を含む、複合的なパーソナリティ障害であったことを思い出した。
パーソナリティ障害といえば、松居一代が該当(推定)していそうだということは以前に記事にしたが、この病気に関する勉強のいい機会なので『自己愛性パーソナリティ障害』についても見ていきたいと思う。

『自己愛性パーソナリティ障害』とは

10種類あるパーソナリティ障害の1種。植松が複合型と診断されたように、境界性パーソナリティ障害&演技性パーソナリティ障害(松居一代はこのタイプかなと思う)のように複合技で診断されるケースもあれば、1種類単独のケースもある。植松の場合は、複合型でも特に『自己愛性~』の特徴が一番合致していたと思われる。
『自己愛性~』の特徴は、以下の通りである。

  1. 自分は特別だという過大な感覚
  2. 限りない成功、美しさ等にとらわれている
  3. 自分は特別、独特であり、地位の高い人たちにしか理解されないと思う
  4. 過剰な賞賛を求める
  5. 特権意識
  6. 自身の目的のために他人を利用
  7. 共感の欠如
  8. 他人に嫉妬する、または他人が自分を嫉妬していると思い込む
  9. 尊大で、傲慢なふるまい

(『DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の分類と診断の手引 新訂版』(医学書院)より抜粋)

こうあげると納得できますね。地位の高い安倍首相に手紙渡そうとしたり、障害者に対しての傲慢な思い上がり、共感の欠如等そのものです。

今回、植松にこの病名がつけられた大きな意味は、『責任能力がある』ということである。刑法39条の心神喪失及び心神耗弱には該当しないということだが、今後裁判で争点にはなるのだろう…つまり責任能力の有無は次のように分けられる。

統合失調症、双極性障害、重度の発達障害(責任能力無し、もしくは限定責任)>パーソナリティ障害(責任能力有り)

ちなみに、精神障害者が無罪になることは大宝律令にも定められていたとの事。701年ですよ。それ聞いたとき単純にすごいと思いましたけどね。

知らないが故のレッテル張り

松居一代、植松聖、共にパーソナリティ障害だと仮定しそれが世の中に認知された場合、片や60歳のクレイジーBBA、片や世紀の犯罪者ということで、どこか『私達』とは別次元の存在、病名と捕らえられるのでは無いかと危惧する。
パーソナリティ障害=特別な人、のようなレッテル張りに発展しそうである。

そもそも、パーソナリティ障害の割合はどれくらいなのであろうか?
⇒およそ10人に1人と言われている。

皆さんはこの数字をどう捕らえるであろうか?個人的には『結構いるな~』という印象である。ちなみにうつ病は15人に1人というデータもある。
つまり、パーソナリティ障害>うつ病

ここからわかることは、自身が罹患して無くても周囲にいる確率がこれだけ高い以上、決して他人事ではないということである。実際、皆さんの会社でもうつ病で休職してる人がいると思う。それ以上にパーソナリティ障害を抱えてる人は多いということだ。

なので、もっとこの病気の正しい知識を啓蒙する必要があるだろう。精神の問題と絡む以上、特にワークライフバランスや働き方改革ともリンクする話だろうし政府主導で広めてもいいと思う。ただし、10種類もあるので例えば境界性人格障害については研究が進んでおり対処法も多いほうだが、自己愛性人格障害は研究がそれほど進んでいなかったりする。種類によってまちまちなのだ。自己愛性~で言えば、うつ病等とも合併し、そちらの治療が優先されるケースも多いらしく、植松みたいに第一番目の病名として自己愛性~と診断されるのは珍しい。
とまあ、まだまだ未知なる部分もあるのでテレビのコメンテーターもなかなかこの病気に触れてるケースも少ないのかなと思う。

最後に、そもそもパーソナリティ障害=犯罪者予備軍、トラブルメイカーみたいなレッテル張りをしても意味は無い。なぜなら、犯罪は『普通』とされるレッテルを貼られた人間が犯すほうが多いのだから。
人間、安易に『レッテルを貼る=自分とは違う事を認識し、安心感を得る』みたいな所があるが、結構明日はわが身なんですよということはこの病気云々も含め、肝に銘じておきたい。




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